この記事の執筆者 森川 髙司(もりかわ たかし)|医療法人煌仁会 森川内科クリニック 理事長・院長

内科医。奈良県立医科大学卒業後、呼吸器・消化器・腎臓・糖尿病などの内科診療に従事し、平成28年に尼崎・塚口で開業。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断からCPAP療法の導入・毎月の継続管理(遠隔モニタリング対応)、高血圧・糖尿病など合併症の一括管理まで一貫して行う地域のかかりつけ医。

「家族に大きないびきを指摘された」「しっかり寝たはずなのに昼間眠い」——それは睡眠時無呼吸症候群(SAS:サス)のサインかもしれません。このページでは、SASの症状・検査・治療・費用の全体像を、尼崎・塚口で毎日SAS診療にあたる内科医がひと通り解説します。各項目の詳しい解説は、それぞれの専門記事へご案内します。

まず結論:要点は3つです

気になる症状がある方は、予約なしでも受診いただけます。木・金は20時まで、土曜・日曜も診療しています(JR塚口駅から徒歩3分・駐車場無料)。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどんな病気?

結論:眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりして、体と脳が休めなくなる病気です。10秒以上の呼吸停止を「無呼吸」といい、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5回以上あると診断の対象になります。いびきは、狭くなった空気の通り道を無理に空気が通るときの振動音で、SASの代表的なサインです。ご本人は眠っているため気づきにくく、ご家族の指摘で見つかることがよくあります。

→ 詳しくは:そのいびき、大丈夫?睡眠時無呼吸症候群セルフチェックと受診の目安(C6)

どんな症状があれば受診すべき?何科に行けばいい?

結論:「いびきが急に止まり、大きな音とともに再開する」「日中の強い眠気」「起床時の頭痛」があれば、まず内科でご相談ください。SASは高血圧や糖尿病など全身の病気と深くつながっているため、内科で体全体をみながら診断・治療を進められます。骨格や扁桃が原因の場合の耳鼻咽喉科、マウスピース作製の歯科とは、必要に応じて当院から連携します。

→ 詳しくは:いびき・睡眠時無呼吸は何科を受診すればいい?内科・耳鼻科・歯科の役割の違い(C1)

検査はどう受ける?入院は必要?

結論:まずはご自宅でできる簡易検査から始めます。受診後、検査機器がご自宅に郵送で届き、いつもどおり眠る夜に1日装着していただくだけです。痛みはありません。機器の返却後、約2週間で結果をご説明します。結果に応じて、より詳しい終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を院内で実施します。入院を前提にしない流れで、お仕事を休まずに検査を進められます。

→ 詳しくは:睡眠時無呼吸症候群の検査はどう受ける?自宅でできる簡易検査とPSG検査の流れ・費用(C2)

治療にはどんな方法がある?

結論:中等症以上の標準治療はCPAP(シーパップ)療法です。鼻に装着したマスクから空気を送り、睡眠中の気道のふさがりを防ぎます。軽症の方や骨格が原因の方にはマウスピース(歯科連携で作製)、肥満のある方には減量などの生活改善を組み合わせます。どの治療を選ぶかは、検査結果(AHI)と原因、生活状況をみて一緒に決めていきます。

外来で私が最も大切にしているのは、CPAP療法を無理なく続けていただくためのサポートです。毎月の受診時に遠隔モニタリングのデータを一緒に確認し、マスクの調整や使い方の工夫を具体的にお伝えしています。

→ 詳しくは:CPAP療法とは?効果・月額費用・通院頻度・続けるコツを内科医が解説(C3)/ CPAPとマウスピース、手術の違いは?治療法の選び方(C7)/ 痩せたら治る?減量・生活習慣改善の効果と限界(C8)

放置するとどうなる?

結論:睡眠不足だけの問題では終わりません。無呼吸のたびに体は酸素不足になり、心拍数を上げて補おうとするため、気づかないうちに心臓と血管に負担がかかります。高血圧・糖尿病・不整脈・心疾患・脳血管障害の発症や悪化との関連が報告されているほか、強い眠気による居眠り運転や仕事中の事故も深刻なリスクです。

→ 詳しくは:睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?高血圧・糖尿病・心疾患との関係(C5)/ 日中の強い眠気と仕事・運転のリスクと対策(C10)

費用はどれくらいかかる?

結論:保険診療です。当院での3割負担の窓口負担額の目安は次のとおりです(2026年7月時点)。

項目3割負担の目安
初診(問診・診察)約2,000円
自宅でできる簡易検査2,500〜4,000円
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG・院内実施)約15,000円
CPAP療法(機器レンタル・毎月の管理を含む)月4,500〜5,000円

→ 検査費用の内訳はC2、CPAPの月額の詳細はC3で解説します。

すでに他院でCPAPを使っている方へ(転院のご案内)

結論:紹介状(診療情報提供書)をお持ちいただければ、当院でCPAP管理を引き継げます。「通院先が遠い」「土日に通える医院に変えたい」というご相談は少なくありません。毎月の管理を、お仕事帰りや週末に通える形へ切り替えられます。

→ 詳しくは:CPAPの転院はできる?病院の変え方・データ引き継ぎの手順と注意点(C4)

女性の方・お仕事への影響が心配な方へ

いびきは男性の病気と思われがちですが、女性も更年期以降に増えることがわかっています。相談しづらいと感じる方こそ、内科の外来を入口にしてください。また、日中の眠気が運転や業務に影響している方は、治療がそのまま安全対策になります。

→ 詳しくは:女性の睡眠時無呼吸症候群(C9)/ 日中の強い眠気と仕事・運転(C10)

当院の診療体制

まとめ:迷っている段階でのご相談を歓迎します

いびきと日中の眠気は、調べれば正体がわかり、治療でコントロールできる病気のサインかもしれません。検査はご自宅で1日、結果は約2週間です。「受診するほどかな」と迷う段階でのご相談を、私たちはいちばん大切にしています。

森川内科クリニック(医療法人煌仁会) お電話:06-6439-7337 / 兵庫県尼崎市上坂部1丁目4の1 ミリオンタウン塚口2階(駐車場無料)/ JR塚口駅から徒歩3分 / 木・金は20時まで受付、土曜・日曜も診療 / 予約なし受診可・Web予約も承っています

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 睡眠時無呼吸症候群は治ることがありますか?

A. 外来で最も多いご質問のひとつです。原因と重症度によります。肥満が主な原因の方では、減量によって無呼吸が改善する場合があります。一方、あごの骨格などが原因の方では、CPAPで無呼吸をコントロールし続けることが治療の中心になります。「治す」ことだけでなく「無呼吸をなくして合併症と事故を防ぐ」ことが治療の目標です。

Q2. CPAPは一度始めたら、やめられないのですか?

A. 自己判断での中断はおすすめできませんが、離脱できる場合はあります。減量などで無呼吸の回数(AHI)が十分に改善したことを検査で確認できれば、CPAPの終了を検討します。毎月の受診時に遠隔モニタリングのデータを一緒に見ながら、離脱の可能性も含めて相談していきます。

Q3. 検査から治療まで、費用は総額どれくらいですか?

A. 3割負担の場合、初診が約2,000円、自宅でできる簡易検査が2,500〜4,000円、精密検査(PSG)が必要な場合は約15,000円です。CPAP治療に進んだ場合は、機器レンタルと毎月の管理を含めて月4,500〜5,000円ほどです(2026年7月時点)。

Q4. CPAPの通院は毎月必要ですか?

A. はい、当院では毎月受診していただいています。CPAPの保険診療には定期的な受診が必要であることに加え、遠隔モニタリングで送られてくる使用データを毎月一緒に確認し、マスクの調整や使い方の改善につなげるためです。この毎月の確認が、治療を長く続けられるかどうかの分かれ目になります。

Q5. 家族のいびきが心配ですが、本人が受診したがりません。どうすればいいですか?

A. ご家族からのご相談も受け付けています。睡眠中のいびきや呼吸が止まる様子をスマートフォンで録音・録画してお持ちいただくと、受診のきっかけや診断の手がかりになります。「検査は自宅で1日だけ」「予約なしで土日も受診できる」ことをお伝えいただくと、受診のハードルが下がることが多いです。

SASガイド 記事一覧(このテーマをさらに詳しく)

  1. いびき・睡眠時無呼吸は何科を受診すればいい?内科・耳鼻科・歯科の役割の違い(C1)
  2. 睡眠時無呼吸症候群の検査はどう受ける?自宅でできる簡易検査とPSG検査の流れ・費用(C2)
  3. CPAP療法とは?効果・月額費用・通院頻度・続けるコツを内科医が解説(C3)
  4. CPAPの転院はできる?病院の変え方・データ引き継ぎの手順と注意点(C4)
  5. 睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?高血圧・糖尿病・心疾患との関係(C5)
  6. そのいびき、大丈夫?睡眠時無呼吸症候群セルフチェックと受診の目安(C6)
  7. CPAPとマウスピース、手術の違いは?睡眠時無呼吸症候群の治療法の選び方(C7)
  8. 痩せたら睡眠時無呼吸症候群は治る?減量・生活習慣改善の効果と限界(C8)
  9. 女性の睡眠時無呼吸症候群:更年期以降に増える理由と気づきにくい症状(C9)
  10. 日中の強い眠気と仕事・運転:睡眠時無呼吸症候群がもたらすリスクと対策(C10)